ボリュームライセンス版 Office2019のインストール手順
こんにちは。みたみなです。
見に来てくださり、ありがとうございます。
今までボリュームライセンス版のOfficeをインストールする場合は、
1.ボリュームライセンスセンターからisoファイルをダウンロード
2.DVDメディアに書き込む、もしくは、ISO解凍してファイルサーバーに保存
3.メディアもしくはファイルサーバーからインストール
の作業をしていました。
Office2019からはその方法が変更となりました。
今回は、ボリュームライセンス版Office2019のインストール方法を説明します。
Office2019の要件
Office2019の利用要件は以下になります。
対象:Office Standard、Office Professional Plus 2019、Office 2019 for Mac Standard
CPU | 1.6 GHz 以上、2 コア ■Professional Plus Skype for Business を使用する場合は 2.0 GHz 以上が望ましい |
メモリ | 4 GB RAM、32 ビット の場合は 2 GB RAM |
ハードディスク | 使用可能ディスク領域 4 GB |
ディスプレイ | 画面解像度 1280 x 768 (32 ビットで 4K 以上を使用するにはハードウェア アクセラレーションが必要) |
グラフィック | グラフィック ハードウェア アクセラレーションには、DirectX 9 以降と、 Windows 10 では WDDM 2.0 以降 (Windows 10 Fall Creators Update では WDDM 1.3 以降) が必要です。 |
OS | Windows 10 SAC Windows Server 2019 Windows 10 LTSC 2019 |
ブラウザー | 以下の最新バージョン Microsoft Edge Internet Explorer Chrome Firefox |
.NET のバージョン | 一部の機能では、.NET 3.5 または 4.6 以降のインストールも必要 |
詳細は以下に公開されています。
■Microsoft 365 と Office のリソース
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-365-and-office-resources?rtc
クライアントでは、Windows10以降のOSのみの対応となりますので、注意してください。
インストールの流れ
Office2019のインストールの流れは以下になります。
1.Office展開ツール(ODT)を準備する
2.設定ファイル(configuration.xml)を作成する
3.インストールをする
※オフラインでインストールする場合は、インストール操作の前に、オフラインファイルのダウンロードが必要です。
Office2019はボリュームライセンス版であってもクイックインストールになります。
オンラインインストールは、Officeコンテンツ配信ネットワーク (CDN)からの直接インストールになり、オフラインインストールは、CDNからインストールファイルを入手することになります。
インストール操作は従来のやり方とは変わり、コマンドを実行します。
Windowsインストーラー(MSI)の時に使っていた、Officeカスタマイズツール(OCT)は利用できなくなりました。
インストールのカスタマイズはOffice展開ツール(ODT)を使って実施することになります。
詳細は以下のサイトにて公開されていますので確認してくださいね。
■Office2019展開(IT担当者向け)
https://docs.microsoft.com/ja-jp/deployoffice/office2019/deploy
Office展開ツール(ODT)を準備する
Office展開ツールは、以下サイトからダウンロードします。
ボリュームライセンスセンターからもダウンロードできます。
■Office展開ツール
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=49117
1.Office展開ツールのダウンロードサイトにアクセスし、「Download」ボタンを押下しファイルを保存する
2.保存したファイルを実行する
3.ライセンス同意画面が表示するので、チェックを付け「Continue」ボタンをクリックする
※チェックを付けるとライセンス条項の同意したことになります。
4.ツールを展開するためのフォルダーを指定し、「OK」ボタンをクリックする
※画面は「c:\work\展開ツール」を指定している状態です。
5.「Successfully」の文字を確認し、「OK」ボタンをクリックする
6.フォルダーを確認する。
必要なファイルは「setup.exe」です。
XMLファイルはサンプルファイルです。
今回の説明では利用しません。
ボリュームライセンスセンターでは、ISOファイルダウンロードと同様の方法で入手可能です。
Office2019のダウンロードに、こんな感じで用意されています。
アーキテクチャは設定ファイルで指定するので、この時は気にしなくてOKです。
以上でOffice展開ツールの準備が完了です。
設定ファイル(configuration.xml)を作成する
設定ファイルの作成には、Officeカスタマイズツール(OCT)を使います。
アーキテクチャの指定、インストールしたくないアプリの指定、言語の指定等、インストールオプションの指定ができます。
もちろん、サンプルとして提供されているXMLファイルをメモ帳などで編集し作成することも可能ですが、Officeカスタマイズツールを利用した方が簡単です。
■Officeカスタマイズツール
https://config.office.com/
1.Officeカスタマイズツールサイトにアクセスし、「作成」ボタンをクリックする
2.各種設定を行う
以下、設定項目とその説明です。
製品とリリース
項目 | 説明 |
アーキテクチャ | 32ビット、64ビットを選択する インストールしたいバージョンをここで指定します。 どちらをインストールすべきか悩んでいる方は↓を参考にしてください。 64ビット版または32ビット版のOfficeを選択する |
Officeスイート | ライセンスを保有している製品を選択する |
Visio | 保有しているライセンスがあれば必要に応じて指定 |
Priject | 保有しているライセンスがあれば必要に応じて指定 |
追加の製品 | 必要に応じて指定 |
更新プログラムチャネルを選択 | インストールする製品に合わせて指定する |
バージョンの選択 | 指定がなければ「最新」にする |
アプリ | インストール不要のアプリがあればオフにする |
言語
項目 | 説明 |
主言語を選択 | 使用する方に合わせて言語を指定する |
追加の言語を選択 | 必要に応じて指定 |
追加の校正ツールを選択 | 必要に応じて指定 |
インストール
項目 | 説明 |
Officeをどこから展開しますか | ■オンラインインストール時 「OfficeContentDeliverynetwork(CDN)」を選択 ■オフラインインストール時 「ローカルソース」を選択し保存先を指定 ■Microsoft Endpoint Configuration Managerで管理する場合 「Microsoft Endpoint Configuration Manager」を選択 |
インストール画面をユーザーに表示する | 指定がなければ「オフ」 |
タスクバーにアイコンをピン止めする | 指定がなければ「オフ」 |
ログ記録 | 指定がなければ「オフ」 |
実行中のアプリケーションを シャットダウンする | 指定がなければ「オフ」 |
更新とアップグレード
項目 | 説明 |
MSI版のOfficeがある場合は、すべてアンインストールする(VisioやProjectも含む) | 指定がなければ「オン」 パソコンの中にMSI版Officeがインストールされている場合、その製品は削除されます。 |
アンインストールVisio | 指定がなければ「オン」 |
アンインストールProject | 指定がなければ「オン」 |
アンインストールSharePointDesigner | 指定がなければ「オン」 |
アンインストールInfoPath | 指定がなければ「オン」 |
MSI版のOfficeをアンインストールした場合に同じ言語をインストールする | 指定がなければ「オフ」 |
ライセンスとアクティブ化
項目 | 説明 |
自動的にEULAに同意する | 指定がなければ「オフ」 ユーザーの代理で使用許諾契約に同意する場合は「オン」にする。 |
プロダクトキー | KMSキー、MAKキーに合わせて指定する。 MAKキーの場合は、有効なプロダクトキーを入力する必要がある。 また自動ライセンス認証の設定は、指定がなければ「オン」する。 |
製品のライセンス認証 | 「ユーザーに基づく」しか選択できないのでデフォルト値 |
全般
必要に応じて、組織名と説明を入力してください。
空白でもOKです。
アプリケーションの設定
Office全体やアプリケーション毎に設定できる項目が表示されています。
必要に応じて設定してください。
何も設定しなくてもOKです。
3.各種設定が完了したら、「エクスポート」ボタンをクリックする
4.「現在の設定を保持する」を選択し、「OK」ボタンをクリックする
5.「使用許諾契約の条件に同意します」チェックをONにし、ファイル名を「configuration.xml」にする。
「エクスポート」ボタンをクリックし、Office展開ツールと同じ場所に保存する
今回の手順では、「c:\work\展開ツール」になります。
Office展開ツールの「setup.exe」と「configuration.xml」は同じ階層に保存してください。
以上で設定ファイルの作成は完了です。
インストールをする
コマンドを使ってインストールします。
コマンドプロンプトは「管理者として実行」する必要がありますので、注意してください。
エンドユーザーに作業をしてもらう場合はバッチファイルを作成し、そのバッチファイルを「管理者として実行」してもらうことでOKです。
1.コマンドプロンプトを「管理者として実行」で起動する
2.Office展開ツールを展開したフォルダーに移動する。
※今回の手順では「c:\work\展開ツール」です。
■コマンド
cd c:\work\展開ツール
3.インストールコマンドを入力し、実行する
■インストールコマンド
setup /configure configuration.xml
オフラインインストールをする場合はまず、インストールファイルのダウンロードが必要です。
■ダウンロードコマンド
setup /download configuration.xml
ダウンロードはバックグラウンドで行われるので、何も表示されません。
ダウンロードが完了すると、コマンドプロンプトが入力可能な状態となります。
ダウンロード完了後、インストールコマンドを入力してください。
以上でインストールは完了です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
ボリュームライセンス版Office2019のインストール手順をご紹介しました。
個人的に、インストール方法がクイックインストールになったことにビックリしました。
MSI版のインストールも残してくれてもよかったのに・・・と思いました。